みなさん、デジタル式の体重計を買ったことはありますか?

最新の体重計は、ただ体重をはかるだけではなく、初期設定で身長や年齢を登録すると、基礎代謝や体脂肪まではかってくれます。
その初期設定の中で「地域設定」なんて項目を見たことはありませんか?

どうして体重計に、地域なんて登録しなきゃいけないんでしょう?
住んでる場所によって、体重が変わるとでも言うんでしょうか?

ええ、そうです。実は住んでる地域によって、体重が変わるからなんです!

・・・。

嘘ではありませんよ?

北海道と沖縄を比べると、北海道の方が約0.15%重くなるんです。

しかし、北海道にいても、沖縄にいても、あなたはあなたのままで、別に太っても痩せてもいないはず……。では、なぜ重さが変わってしまうのでしょうか?

それは場所によって「重力加速度」が違うから!
なんですが、難しい言葉は一旦置いておいて……

地球の自転によって遠心力が働いているから、場所によって重さが違うんです。

遠心力と言えば、「バケツに水を入れてぐるぐる回すと、水がこぼれない」というアレです。車に乗ってカーブを左に曲がると、身体が右に引っ張られ、右に曲がると左に引っ張られるのも遠心力です。

地球は「球」になっているせいで、遠心力の大きさが場所によって変わります。
より自転の軸から外側にあると遠心力が大きく、より、自転の軸に近いと小さくなります。

図解すると下の図のような感じ。

なんとなく、体重が地域によって変わる理由がご理解いただけたでしょうか?

今回は体重計でご紹介しましたが、重力加速度の影響を受けるのは、製薬の現場のはかりや、貴金属の取引に使われるはかりも同じです。体重なら0.15%ズレても、誤差の範囲で片付けられますが、製薬や貴金属の取引の現場でそんなズレが起きれば大変なことになってしまいます。

重力加速度は、はかり業界においてとても大切な概念です。
田中衡機工業所のはかりも、出荷する場所に合わせて地域設定をしています。

※写真はイメージです

※写真はイメージです

今回は、はかりの豆知識「重力加速度」について、ご紹介しました!
機会があったら、ぜひ誰かに話してみてくださいね!

※物理学について学んだことがない方向けの記事です。「わかりやすさ」を優先しておりますので、一部厳密には異なる内容を含みます。専門的な内容が知りたい方は他サイト・文献をご参照ください。